災害時にいちばん困るものは食料? 水? トイレットペーパー?
もちろん全部大切です。
ですが、多くの家庭がじつは “電気の備え” だけは手つかずのままです。
近年では豪雨災害、河川氾濫、記録的な大雪、交通マヒなど、電気が突然途切れるケースが増えています。
しかも近年の住まいは高気密化が進んでいて、停電すると換気システムも止まってしまいます。
停電で家の換気システムが停止している時に、灯油を使うような暖房器具を使い続けると空気中の一酸化炭素が増えていき、命の危険に関わることにもなりかねません。
気温の高い時期に停電になってしまうと、エアコンが使えず熱中症になってしまう危険があります。
熱中症や低体温症のリスクまであるのです。
停電は地震のほかにも事故や台風、火災などさまざまことで起こる可能性があります。
いざ停電すると、
「冷蔵庫の中身が腐る…」
「スマホの充電が切れる…」
「車で夜を越すかもしれない…」
そんな不安が一気に押し寄せます。
そこで今注目されているのが、発電機 や ポータブル電源 といった“電気の備え”。
とはいえ、
「どっちを選べばいいの?」
「災害用なら容量はどれくらい必要?」
「アウトドアでも使えるものがいい!」
と迷ってしまう人も多いはずです。
この記事では、20〜50代の防災意識の高い方、アウトドア派、車中泊を楽しむユーザーのために、発電機 vs ポータブル電源の違い・使い分け・おすすめモデル まで分かりやすくまとめました。
総合力でポータブル電源
結論から言うと…
停電への備えとして“総合力が高い”のはポータブル電源。
ただし、長時間運転や大容量を求めるなら発電機を併用するのが最適。
理由は以下の通りです。
- ポータブル電源は 室内使用OK・音が静か・車中泊とも相性抜群
- ソーラーパネルと組み合わせれば 停電中でも充電が可能
- インバーター発電機で充電ができれば、長時間使えて エアコン稼働にも有利
つまり
「日常〜アウトドア〜防災のオールラウンダー=ポータブル電源」
「長期停電に備える追加戦力=インバーター発電機」
となります。
電気の復旧にかかる日数
停電は“数時間”では終わらないことがある
内閣府の想定で、首都直下地震では各ライフラインの復旧目標日数というものがありますがその中では電気の復旧目標は6日。
内閣府による首都直下地震等による東京の被害想定によれば、各ライフラインの復旧目標日数は、電気で6日、上水道で30日、ガス(都市ガス)で55日となっています。
引用元:tenki.jp
想像してください。
真夏に6日間エアコンなし。
冬に6日間暖房なし。
これは、かなり厳しいです。
毎年のように気温の最高記録を塗り替え、猛暑日や酷暑日が増えてきている現代、エアコンを6日間もの間使わずに耐えられることは出来ますか?
私自身、以前大雪停電を経験しましたが、室温は下がり、スマホの電池は減っていく…。
「電気って、こんなに大切だったか」と本気で思い知らされました。
そして、大きな災害か起きて、避難所に避難できたとしても、避難所によっては電気が復旧するまで停電したままといったところもあるのではないでしょうか。
停電でも動かしたい家電と必要な電力(W:ワット)
停電の時でも動かしたい家電はといったら、熱中症やなどを防ぐためのエアコンや生鮮食品を腐らせないための冷蔵庫が思いつくと思います。
家電の消費電力は種類によって大きく違いますが、エアコンと冷蔵庫は家電の中でも消費電力が多いです。
| 家電 | 消費電力の目安 |
|---|---|
| エアコン(起動時) | 約1,500W |
| エアコン(安定時) | 約400W |
| 冷蔵庫 | 150〜500W程度 |
| 炊飯器 | 400〜700W |
| スマホ | 5〜20W |
| 水槽(ろ過装置) | 10〜30W |
エアコンだと、起動時の消費電力はメーカーや機種により異なりますが、平均として1500W、そのあとは400W程度の消費電力が必要になってきます。
普段使っているスマホやテレビなどの家電製品のほかにも食事を確保するための炊飯器を使うためにポータブル電源を備えておくことが大切です。
また、熱帯魚や海水魚などの飼育装置が停電で止まってしまうこともあります。
特に水槽は停電で酸素供給が止まると、生き物が危険にさらされます。
停電の期間が長くなってしまうと無酸素状態になってしまい、魚に負担がかかってしまうので、ペットの命を守るためにもポータブル電源を備えておくことは大切ではないでしょうか。
「人もペットも守るための電力」が必要なのです。
発電機とポータブル電源の違い
発電機とポータブル電源の違いと、それぞれのメリット・注意点をまとめました。
発電機のメリット・注意点
発電機のメリットと注意点
メリット
- 燃料があれば長時間つかうことができる
- 持ち運びがしやすい
注意点
- 定期的な点検が必要
- 家電などにはインバータ装置が付いている発電機を使う
- 発電機を動かすときは、家の外など換気の良い場所で
- エンジン音や振動音に注意
- ガソリンなどは専用の携行缶で保管
- 捨てるのに廃棄処分料がかかる可能性がある
発電機の特徴
ガソリン・カセットボンベガスなどを使って、エンジンを動かし、電気を発生させるのが発電機
燃料があれば 長時間運転できるのが最大の魅力。
防災の備えとして持っている方も多いのではないかと思います。
ただし、発電機を使う時に注意してほしいのが、排気ガスとインバータ装置
排気ガスは、発電機を動かすと発生するので室内や換気のわるい場所で使うと一酸化炭素中毒などになる危険があるので注意が必要です。
インバータは、周波数や電圧の変動が少ない品質の良い電気を供給するための装置
この装置が付いていないと家電に強い電気が流れてしまい壊れてしまう危険があるので注意が必要です。
パソコンやエアコンなどを動かすならインバータ発電機が適しています。
メリット
- 燃料がある限り連続稼働できる
- 大型家電も動かせる
- アウトドアや工事現場でも活躍
注意点
- 排気ガスが出るため屋外でのみ使用
- エンジン音が大きい
- 定期的な燃料管理・点検が必要
- インバータ非搭載モデルを家電に使うのは危険
- 自治体によっては発電機の処分費用が発生
屋外で長時間運転できる点は強いですが、「夜間の住宅街」「車内泊」「避難所」では使いにくいケースが多いのが弱点です。
ポータブル電源のメリット・注意点
ポータブル電源のメリットと注意点
メリット
- 室内や車内で使うことができる
- 容量が大きいものは家電を動かすことができる
- ソーラーパネルで充電することができる
- 持ち運びがしやすい
- エンジン音や振動音がしない
注意点
- 発火の危険性がある
- バッテリー容量が大きくなると重くなる
- 捨てるのに廃棄処分料がかかる可能性がある
ポータブル電源の特徴
大容量のバッテリーに“電気をためておける”装置。
発電機と違って電気を作ることが出来ないので定期的に充電を行う必要がありますが、太陽光で充電ができるソーラーパネル対応のポータブル電源もあります。
発電機と違い 音が静か・室内OK なのが魅力。
高温多湿の環境で長期保管してしまうとバッテリーが劣化し発火のリスクが高くなりますが、安全性が高く長寿命を実現している、安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン電池を使用している製品を選ぶことで発火リスクを低減することが出来ます。
容量が多ければ、本体も大きく重量も増してきます。目安として100wだと本体の重さは、約1kgほど。2000wのものになると、約18kgで、だいたい5歳の子どもの体重と同じ位の重さです。
メリット
- 室内・車内で安全に使える
- エンジン音ゼロで静か
- ソーラーパネル充電が可能
- USB・ACコンセント・シガーソケットも使える
- アウトドアとの相性も抜群
注意点
- バッテリー劣化や発火リスク(安全性の高いリン酸鉄リチウムを推奨)
- 大容量モデルは重い
- こちらも自治体によっては廃棄費用がかかる
特に防災用途では、ソーラーパネルによる充電ができるモデルが強いです。
発電機の選び方(防災用途の場合)
- インバータ搭載必須(家電保護のため)
- ガソリン or カセットガスを選ぶ
- 住宅街なら“低騒音”タイプ推奨
- 燃料の保管を忘れずに(ガソリンは劣化しやすい)
発電機を防災用として選ぶのであれば、発電量と燃料の保管方法、排気ガス、発電機の動作音について確認しておくことをおススメします。
ポータブル電源を備えるならJackery1000
おすすめなのが定格出力が1500Wという高出力のJackery(ジャクリ)1000です。
防災×アウトドア×車内泊ユーザーに最適な“本気の”ポータブル電源。
アウトドア・車中泊ユーザーにも人気です。
おすすめポイント
Jackery1000のおすすめポイント
- 定格出力が1500Wと高出力
- AC電源×5口、USB電源×4口、シガーソケット×1口の豊富なポート
- リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使っているので4000回サイクルの放充電を行えて、10年以上使うことができコスパが良い。
- 4000回サイクル以降も工場出荷時容量の70%以上を維持できるようになっている。
- 車中泊でも大活躍
- 日常生活で使うことで電気代を節約することができる。
- ソーラーパネル充電対応
- 最速1時間で満充電
夜に電気を使って、日中に太陽光で充電すれば、長期停電でも電力を自給自足できる のが最大の魅力。
ポータブル電源を防災用として選ぶのであれば、容量と充電方法の確認をしておくことをおススメします。
キャンプやアウトドアでは、家電のように電気をたくさん使うようなものは持っていかないので容量よりも持ち運びのしやすい重さでえらべばよいと思いますが、防災用となると持ち運びやすさよりも容量で選んだ方がよいでしょう。
避難所にいかず、自宅での避難生活を想定するならば、万が一の時に使える電気をどれだけ溜めておけるかが大切。
溜めておける量が多ければ多いほど、長く日数使うことが出来ますし、エアコンなどの大型家電を動かすことも出来ます。
ポータル電源は、使えば使うほど減っていくので、充電する必要があります。
普段であれば、家庭用コンセントから充電することが出来ますが、停電時は当然充電することが出来なくなってしまいます。
ここで紹介しているackery1000は、家庭用電源のほかにもシガーソケット、ソーラーパネルでの充電が可能です。
ソーラーパネル400Wで、最速3時間でフル充電が可能
このパネルがあれば天候にもよりますが、夜に使い、日中にソーラーパネルで充電すれば停電の復旧に日数がかかったとしても、使い続けることが出来ます。
LEDライトがあるので、アウトドアなど、屋外や暗い場所での使用にもおすすめ。

セラミックヒーターでテスト
実際にセラミックヒーターを使てみました。

あくまで参考ですが、表示を見てみると、576w消費していて、1.8Hも使用することが可能です。

8畳程度の部屋なら600wでも十分温めることができます。
なので、部屋が十分に温まったら消して、寒くなってきたらスイッチを入れるというような使い方をすれば、もっと長く使うことが出来ます。
テレビだって余裕で使える
災害時は、正しい情報を集めることが命を守る最重要ポイントです。
自分の地域で何が起きているのかを知ることで、適切な行動が取れるようになります。
しかし、SNSのデマや確認できない情報に振り回されると、不安が大きくなり、誤った判断につながることもあります。
だからこそ、テレビ・ラジオ・信頼できる動画配信サービスから正確な情報を得ることが大切です。
動画配信サイトでもリアルタイムのニュースは見られますが、災害時は通信が不安定になり、視聴できなくなる可能性もあります。
そんなときの心強い味方が ポータブル電源。
電源さえ確保できれば、テレビをつけて最新情報を確認することができるのです。

結論
・普段使い・アウトドア・車中泊・停電対策の総合力=ポータブル電源
・長時間運転に強い=発電機
どちらかで迷ったら、まずは静音性・室内利用ができるポータブル電源がおすすめ
発電機はポータブル電源の“バックアップ”として考えると最強です。
まとめ
災害は予測できません。でも、 備えは今日から確実にできるもの です。
停電して初めて痛感するのは、「電気さえあれば、ここまで不安にならなかったのに」という事実。
ポータブル電源も発電機も、あなたや家族の “安心を買う道具” です。
もし今、「まだ備えていない…」と思ったなら、それは行動を始める合図。
まずは小さくても良いので、“電気の備え”という第一歩 を踏み出してみてください。
参考:電気の用語
参考に、簡単にですが、電気に関する用語を簡単に説明します。
電圧(Ⅴ:ボルト)
電気を送り出すための力で、数字が大きいほど送り出す力が大きくなっていきます。
電流(A:アンペア)
流れている電気の量です。
数字が大きいほど流れている量が大きくなっていきます。
電力(W:ワット)
電気でどれだけの仕事が出来るかの量です。
電力は電圧と電流を掛け算すると表すことが出来ます。
電力(W)=電圧(V)×電流(A)
今回は防災のためのポータブル電源を紹介しました。
他に防災アイテムを紹介しています。ぜひ読んで下さい。


